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電力P2P取引における決済処理の自動化の実証実験を実施

ブロックチェーン技術を活用した電力P2P取引における決済処理の自動化の実証実験を実施

~電力業界向けのデジタル通貨利活用の推進を目指して~

株式会社ディーカレット(代表取締役社長 時田 一広 以下:ディーカレット)は、20203月に、関西電力株式会社様(以下:関西電力)と、デジタル通貨に関する実証実験を実施いたしました。

ディーカレットは、構築している「ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム」を活用し、関西電力向け実証実験用の独自デジタル通貨を発行し、電力P2P取引1における決済処理の自動化について有効性を確認する事が出来ました。

ディーカレットは、今後も、デジタル通貨やスマートコントラクト等のテクノロジーの活用を通じ、電力業界向けにデジタル通貨の推進を進めてまいります。

 

  1. 背景

電力業界における電力供給システムは、従来の大規模集約型から、個人や企業が電源を保有する分散型への移行期にあり、将来的には、プロシューマー2と電力消費者との間で、専用のプラットフォームを介し、電力が直接取引(P2P取引)される可能性があると考えております。この際、電力のP2P取引来歴を明確にするということは必須要件であり、耐改ざん性に優れ、透明性の高いブロックチェーン技術の活用が期待されており、来歴管理のブロックチェーンの活用検証は既に国内外で実施されております。

そこで、ディーカレットは、デジタル通貨を用いて、プロシューマーと電力消費者のP2P取引と同時に発生する決済処理の自動化について実証実験を実施いたしました。

 

  1. 実証実験の概要
  • ディーカレットが構築している「ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム」を活用し、デジタル通貨を発行します。(発行したデジタル通貨の有効期間は、6ヶ月以内になります。)
  • 具体的には、プロシューマーと電力消費者の電力取引が行われた記録がスマートコントラクトへ書き込まれると、取引量に応じた料金が電力消費者のウォレットからプロシューマーのウォレットへ送付され、同時に取引手数料がプロシューマーウォレットからプラットフォーマーウォレットへデジタル通貨で即座に送付される仕組みについて検証し、有効性を確認できました。

<実証実験イメージ図>

※今回の実証実験では日本円との交換は行わない

 

■ ディーカレットのデジタル通貨プラットフォームの特徴

ディーカレットが構築している「ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム」は、利用企業がご自身のブランドでデジタル通貨を発行可能な機能を備え、スマートコントラクトを利用した処理の実装も可能です。また、取引にまつわる一連のプロセスを効率化し、少額のお金のやり取りもリアルタイムに実現します。

これにより、ダイナミックプライシングやリアルタイム決済といったブロックチェーンの特性を活かした幅広いサービスの展開を支援します。今後、ディーカレットはプラットフォームの事業化を目指しており、既存の決済サービスへの価値移転や交換機能・サービスなど、デジタル通貨の利便性を高めるサービスの提供を増やしていく予定です。

 

1Peer to Peerの略称。中央サーバを経由せずに、個々の端末(Peer)が直接、互いにやり取りを行える仕組みのこと

2:自身で発電した電気を消費し、余剰分は売電する生産消費者のことであり、生産者(Producer)と消費者(Consumer)とを組み合わせた造語

 

【ディーカレット】デジタル通貨実証実験関西電力_20200805.pdfをダウンロード