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セキュリティトークン取引の注文・約定・決済業務の検証結果の公表について

セキュリティトークン取引の注文・約定・決済業務の検証結果の公表について

株式会社ディーカレットDCP(代表取締役会長兼社長:村林聡、以下「ディーカレットDCP」)、野村ホールディングス株式会社(代表執行役社長 グループCEO:奥田健太郎)、株式会社大和証券グループ本社(執行役社長:中田誠司)及び株式会社BOOSTRY(代表取締役社長:佐々木俊典、以下「BOOSTRY」)は、ディーカレットDCPが事務局を務めるデジタル通貨フォーラム1において、ST-Coin(STC)分科会(以下「本分科会」)を主催し、セキュリティトークン2(以下「ST」)取引におけるデジタル通貨決済の実用化に向けた検討を行いました。

ST取引の注文・約定・決済業務を検討対象とし、デジタル通貨を用いたSTのDVP決済に係る業務、システム、法規制等のフィージビリティを検証し、結果を取りまとめましたのでお知らせします。

なお、検証結果の詳細は、「ST-Coin(STC)分科会 年度報告書 2022年度」をご確認ください。

1.これまでの取組みと本検証の目的・スコープ

デジタル通貨フォーラムでは、これまで「セキュリティトークン決済実務/制度検討分科会」(以下「STO分科会」)3において、デジタル通貨を利用したSTのDVP決済の机上検証を実施し、実現にあたっての論点整理に取り組んできました。

本分科会は、STO分科会の成果を踏まえ、ST取引におけるデジタル通貨決済の実用化に向けて、ST取引の類型化と、業務、システム、法規制等の検証を行いました。

ST取引の類型化においては、現在行われている単一の証券会社と投資家によるSTの相対取引ではなく、異なる証券会社に口座を持つ投資家同士のST取引を想定し、証券会社間の相対取引および取引所を通じた取引について検討を行いました。

2.検証対象、想定する取引

取引決済プロセスを詳細に検討するにあたり、相対取引/取引所取引、DVPを実現するためのエスクロー機能の提供主体の観点より、実現が見込まれる3つの取引パターンの業務フロー(下図ご参照、以下「検証シナリオ」)について詳細な検討を行いました。

なお、本検証は、ディーカレットDCPが開発するデジタル通貨プラットフォーム4とBOOSTRYが開発を主導するSTプラットフォーム5の利用を想定して実施しました。

3.検証項目と結果

検証シナリオに関して、以下の3つの観点の検証を実施しました。検証結果の要旨は以下の通りです。

項目 検証結果
ビジネス検証
  • 証券会社、取引所、STプラットフォーム、デジタル通貨プラットフォーム、銀行に関する詳細な業務フローを3パターン作成。
  • 実務者にてST取引におけるデジタル通貨決済の実用化方法を検証。
技術検証
  • デジタル通貨プラットフォームの基本的な機能について技術検証を実施。
  • STプラットフォームとの間で連携されるデータ項目を確定し、当該データ項目の試験データを利用してデジタル通貨プラットフォームの動作を確認。
リーガル検証
  • デジタル通貨の移転に係る行為が、金融商品取引法、銀行法その他の業法上の規制により規制対象となりうるかについて法令調査を実施。
  • デジタル通貨プラットフォーム運営者であるディーカレットDCPが電子決済等代行業者として、デジタル通貨の移転に係る銀行への指図の伝達を受託することで、法令上問題なく実施できることを確認。

本分科会では、引続きST取引におけるデジタル通貨決済の実用化に向けて各種検討を進めてまいります。

<デジタル通貨フォーラムSTC分科会 参加企業 13社>

(デジタル通貨プラットフォーム)
株式会社ディーカレットDCP*
(取引所)
株式会社JPX総研
大阪デジタルエクスチェンジ株式会社
(証券会社)
野村ホールディングス株式会社*
株式会社大和証券グループ本社*
(証券システム)
株式会社大和総研
Fintertech株式会社
株式会社野村総合研究所
(STプラットフォーム)
株式会社BOOSTRY*
(法律事務所)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
外国法共同事業
(資金決済銀行)
株式会社三井住友銀行
株式会社三菱UFJ銀行
株式会社りそな銀行
*:幹事企業
1:デジタル通貨フォーラムは日本におけるデジタル通貨の実現性を検討する取組みです。金融、小売、運輸、情報通信など広範な業界にわたる100社以上の企業、自治体、団体などが参加しています。

2:セキュリティトークンとは、従来の株式や社債等の仕組みに代わり、ブロックチェーン等の電子的手段を用いて発行する有価証券です。本邦では2020年5月1日の金融商品取引法及び関連する政省令の改正施行により「電子記録移転有価証券表示権利等」として規定され、法令に準拠した取り扱いが可能となり、実際に発行がなされています。

3:STO分科会は、デジタル通貨フォーラム下の組織で、その成果は「デジタル通貨を用いたセキュリティトークンのDVP決済に関する分科会報告」として公表しています。

4:詳細については「DCJPY(仮称)ホワイトペーパー」をご確認ください。

5:ibet for Finといい、金融機関で構成されるibet for Finコンソーシアムによって運営されています。

【ディーカレットDCP】デジタル通貨フォーラムSTC分科会_検証結果.pdf