デジタル通貨フォーラム 電力取引分科会(サブグループB)による協同実証の実施
2022.03.31
デジタル通貨フォーラム 電力取引分科会(サブグループB)による中小企業の脱炭素化推進に向けた協同実証の実施
~DXとGXの融合となるデジタル通貨の特徴と電力取引データを活用した多様な新サービスの展開に向けたユースケース検証~
株式会社ディーカレットDCP(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:時田 一広、以下:当社)は、デジタル通貨フォーラムにおいて、電力取引分科会 サブグループB(グループ幹事:株式会社エナリス、以下:エナリス)が、電力取引実績をグリーンファイナンスへ活用する実証事業を実施したことをお知らせいたします。今年度は、仮想データを用いて電力取引実績・電力購入先情報の取得、スコアリング、可視化を行い、それらを活用したユースケースについて検証を行いました。
デジタル通貨フォーラムは、当社が事務局を務め、日本を代表する銀行や、小売、運輸、情報通信など広範な分野にわたる70社以上の企業・銀行・自治体・団体、有識者およびオブザーバーとしての関係省庁・中央銀行にご参加いただき、日本におけるデジタル通貨の実用性を検討する取り組みです。
電力取引分科会サブグループBでは、エネルギー分野におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)とGX(グリーン・トランスフォーメーション)の融合を推進し、中小企業のカーボンニュートラル支援の実サービス化を目指します。そして、日本社会のカーボンニュートラル実現に貢献します。
20220331_デジタル通貨フォーラム電力取引分科会(サブグループB)
【参考資料】
1.実証の目的と背景
多くの大手企業は、毎年2.5%以上の削減を目安として5年~15年先の目標を設定するSBT(Science Based Targets)に取り組んでおり、自らの排出だけでなく事業活動に関係する上流~下流を含めた取引先企業の温室効果ガス排出量(間接排出)も重要視しつつあります。中小企業においても温室効果ガス削減目標と削減に向けた取り組みは無視できない課題となっています。
一方で、中小企業のうちカーボンニュートラルへの取り組みを実施している企業は全体の10.8%にとどまっており、理由として、資金面での「対応コストの高さ」などが挙げられます。中小企業のカーボンニュートラルへの取り組みを推進し、社会の脱炭素化を実現するためにも、これらの課題解決をサポートするサービスが必要となっています。
2.実証概要
本年度実証事業においては、エナリスにて開発した電力取引プラットフォームを用い、情報面・対応リソース面でのサポートと資金面でのサポートについて検証を行いました。なお、仮想データを用いるため、評価についても仮想の数値を用いています。
【実施内容】
- 中小企業が、再生可能エネルギーを直接調達する手法(コーポレートPPA)を想定し、再生可能エネルギーの購入量を30分値でトラッキング
- 電力取引実績データに加え、購入先の電源種・発電地域・発電所情報も取得
- 電力取引実績データと購入先情報を元にスコアリングを行い、環境負荷・持続性・追加性・地域性を可視化
- ファイナンスサービス事業者は、中小企業の再生可能エネルギー購入実績および購入先の評価を基に、融資等ファイナンスサービス提供可能性の検討
製品にも再生可能エネルギー使用率等のカーボンニュートラル情報を付与
【協同実証参加企業】
株式会社エナリス(幹事)、大同生命保険株式会社、株式会社三井住友銀行、株式会社ディーカレットDCP(事務局)
3.実証成果と今後
中小企業におけるカーボンニュートラルへの取り組みが進まない要因である、情報面・対応リソース面での「不明瞭・情報不足」、資金面での「対応コストの高さ」に対して、情報提供・マッチング等のサポートを行うことで課題を解消し、中小企業のカーボンニュートラルへの取り組み促進に寄与できる可能性を確認しました。本取り組みによる各種データを用い、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルの取り組みへの活用等についても引き続き検証を行ってまいります。
また、電力取引分科会サブグループBでは、デジタル通貨の特徴を活用して電力取引やファイナンスサービスにおける多様な新サービスの展開が可能になると考えており、今後も検討を深めていく予定です。